生きていれば色々ある。それは誰でも同じだ。
生まれ育つ環境は平等ではないから、自分の運命を嘆く人もいるだろう。
しかし、大人になっても嘆いてばかりで行動しない人がいる。
「毒親育ちだから…」「複雑な家庭で育ったから…」「親のせいで…」
上手くいかないことを自分以外の何かのせいにして、憂いてばかりいたところで人生は好転しない。
“恵まれなかった境遇”という殻に閉じこもり、自分を守っているだけではなかろうか。
自分が嫌っているものに結局守られている状況を、自分が選んでいる。
確かに、自分の生きづらさや不器用さ、失敗の原因に親が関係していることも実際よくある。トラウマに苦しむ人もいる。呪縛に苦しむ人達も目の当たりにしてきた。
でも残念ながら、基本的に相手は変わらない。
長年、精神科でケースを担当していると、中には変わる人もいる。でも割合としては、かなり少ない。それも簡単にそうなったのではなく、長い治療の中で、何度も何度も面談を重ねてきた過程があってようやく…という感じだ。それくらい難しい。それはまた別の記事に書こうと思う。
ではどうすれば良いか?
自分ができることを続けるしかない。
「親の呪縛から解き放たれたい」のであれば、働いてお金を稼ぐ。働くのが困難な理由があれば、行政機関や医療機関に相談してみる。その場で解決はしないが、解決の糸口は見つかる。相談窓口が分からなければ、電話相談できるところをネットで検索してみる。
当たり前のようだが、この一歩を踏み出せない人が多い。
本を読んだり、日記を書いたり、自分の心を整理するだけでも良い。勉強したり、家事スキルを磨くのも大事だ。片付け、創作活動、ボランティアなど方法はいくらでもある。特にボランティアは、地域の社会福祉協議会に問い合わせれば相談にのってくれる。家を出て、家族以外の人と交流するのはオススメだ。就職面接でもアピールできる。
同じ境遇の人に共感してもらうのも悪くはないが、傷の舐め合いで終わらないように。
人生を好転させたいのであれば、自分で行動しよう。
「こうなりたい」が見つからなくても「こうなりたくない」をトリガーにすれば良い。
ハンディキャップは、活用方法によって大きな強みになる。
いつか目の前にチャンスが舞い込んできた時に、掴み取る準備をしておこう。
成功は、チャンスと準備が交わった時に生まれるのだ。